オーガズムとは何かをひとことで説明するなら、男女がそれぞれの性器で感じる快感の頂点、すなわち絶頂感です。

互いにふれあい、ともに濡れて、身も心も溶けそうになるほどの快感におぼれて、気が遠くなりそうなほどに感じて、感じて、感じて・・・。この気持ちの良さが最も極まった、ごく短い時間のことです。

頂点というからには、そこに至るプロセスがあります。男性のペニスを体内に迎え入れてすぐに、女性が身もだえ、絶頂を迎える・・・。というのはアダルト作品などが作り出した幻想のようなものでしょう。

現実の男女であれば、性欲を感じてからオーガズムに達するまでには、段階的なプロセスをたどります。

1段階目の興奮期から2段階目の高原期にかけて徐々に快感が高まり、3段階目のオーガズム期を迎え、そして4段階目の消退期になって快感が退いていく、というのが大まかな流れですが、それぞれの段階にかかる時間の長さは男女で差があり、もちろん個人差もあります。特に女性は、絶頂間を一度ならず何度も体験する人、あるいはオーガズムまで至らないまでも快感に長い時間浸れる人、または短時間でオーガズムに達し、すぐに消退期を迎えるような人など、個々でかなりの差があります。さらにその時々の環境や体調によっても変わりますが、セックスであってもマスタベーションであっても。男女ともに必ずこの4段階のプロセスをたどります。

ですから、挿入してすぐにイクというのは、走り幅跳びにおいて、ろくに助走もせずにジャンプしたにもかかわらず、助走で勢いをつけて踏み切った場合と同じ記録が出た、というくらい、ありえないことなのです。

では、セックスをしている最中に、自分が、もしくは彼女がどの段階にいるかは、どうすれば分かるのでしょうか?それがわかれば、彼女がまだ高原期に入っていないのに、激しいピストンをして痛い思いをさせたり、または自分だけ先に果ててしまったりといったことが避けられますね。

答えは、よく観察することです。肌がほんのり紅潮する。脈拍が増加し、呼吸が乱れる。手足が緊張する。またはだらりと弛緩する、などなど。目で見てわかるサインが必ずあるのです。

感じているときに、それぞれの身体にどんな変化が起き、どんなサインがあるのかを、しっかりの見極めるのが、オーガズムへの近道であり、王道なのです。